被害者の方から、「相手の態度が悪い(見舞に来ない、電話をかけてこない、謝罪が無い)ので、慰謝料の総額ができますか」という相談をよく受けます。
事故で被害を被ったにもかかわらず、その後の対応においてもストレスがたまり、何とかそれを慰謝料に反映する事はできないかという被害者の方の気持ちもわかります。
しかし、保険会社との話し合いで、これらのことを理由に慰謝料が増額されることはまずありません。
ですが、訴訟となれば話は変わってきます。
訴訟では「加害者に故意若しくは重過失又は著しく不誠実な態度がある場合」に慰謝料の増額を請求できるとしています。
では、いったいどのような態度が具体的にこれにあたるかと言えば、「加害者の故意若しくは重過失」とは、酒酔い運転、無免許、ひき逃げ、信号無視、30キロ以上の速度違反のことであり、「著しく不誠実な態度」とは、被害者に対して暴言を吐くことや、自分の過失を全く認めない等のことであり、これらのことがあると、訴訟では慰謝料の増額理由になるとしています。
示談代行つきの今の任意保険では、加害者が見舞に来ないことや謝罪の電話が無い事が、次第に恒常化していく中で、加害者の見舞いや謝罪が無い事だけで慰謝料が増額できるかどうかに関しては、難しい判断だと思われます。