【事案】  歩行中、後方より自動車に衝突され、頭部を負傷。画像所見、意識障害があったものの、退院後の経過もよく、単なる脳外傷の診断のまま、神経症状の残存(14級9号)に留まる。 【問題点】  当時ひとり暮らしであったため、易疲労性(精神的に疲れやすい)や性格変化について家族の観察が及ばず、事故後微妙な変化を主張する者がいなかったために見逃されてしまった。 【立証】  別住まいの親族が改善しない症状に気付き、当方に依頼、連携弁護士と共同して異議申立てを行い、正しい認定に至った。その後訴訟に移行、異議申立ての結果が尊重され、争点少なく、ほぼ勝訴内容の和解となる。 (平成26年7月)

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【事案】 原付バイクで走行中、交差点で対抗右折車と衝突・転倒。顔面多発骨折となる。さらに脳幹部に出血、脳幹梗塞を併発。砕けてしまった顔面の修復に手術を繰り返した。ほぼ元通りに修復を果たせたが、めまい、ふらつき、頭痛、右半身の感覚麻痺が残存。 【問題点】 めまい、右半身の感覚障害しか書かれていない後遺障害診断書を目にする。 しかし下顎骨骨折から顔面神経麻痺、嚥下障害、感覚麻痺があり、さらに具体的には温熱感の喪失、触覚低下を訴えている。そして注意障害、情動障害等の高次脳機能障害も疑われる。 なんと言ってもそれらに気付かない弁護士がそのまま自賠責保険に提出してしまった。これでは12級止まり必至。 さすがに不安に思った弁護士は被害者を連れて私と面談する。被害者の様子から高次脳機能障害を予感・・・急ぎ提出書類の返還を求め、嚥下障害の検査はもちろん、神経心理学検査を追加し高次脳機能障害の評価を含めて立証作業をやり直しすることになった。 【立証ポイント】 神経心理学検査の設備がない病院であったが、主治医は快く協力に応じ、他院への紹介状を書いていただく。検査先病院で言語性の知能低下、注意障害の兆候を示す検査データを取得。さらに徹底した家族への聞き取りを日常生活報告の別紙としてまとめる。目に見えない障害はまさに「あぶりだす作業」なのです。 そして最終的に主治医により「高次脳機能障害」の診断名が追加された。 分厚くなった検査結果と申述書一式、段ボール一箱が埋まる膨大な画像、写真を添えて万全の体制で再び審査先へ提出。 結果は高次脳機能障害として総合的に7級の評価。調査事務所は被害者の窮状をよく汲み取ってくれた。まさに起死回生、被害者は救われた。 その後弁護士にお返しして、賠償交渉に進める。例によって私達メディカルコーディネーターは後方支援に回り、表舞台にはでません。 私たちの仕事は立証作業を通じて弁護士を勝たせること、そして何より正当な障害評価により被害者を救うことです。 (平成25年5月)

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【事案】 交差点を自転車で横断中、左折車に巻き込み衝突をうける。頭部から路面に転倒、脳挫傷、急性くも膜下出血となる。 【問題点】 意識回復後、順調に回復していく。深刻な障害を伴うと予想されるも、本人の努力、家族の献身的なフォローで日常生活に復帰することができた。しかし、以前のように流暢に話せなくなり、判断力もわずかに低下をみせる。家族にしかわからない微妙な障害が残った。顕著なのは臭いがしない=嗅覚障害のみ。 治療先の病院では高次脳機能障害の評価、検査はまったく不能。嗅覚障害も関心がないよう。治療が終わったと同時に突き放される。 【立証ポイント】 高次脳機能障害のリハビリ、評価が可能な病院へ誘致する。しかしそこでの検査もすべて平均値に近く、客観的なデータの不足に悩まされる。言語障害の検査SLTAではわずかな所見、WABではほぼ正常・・・このままでは良くて9級である。家族にしかわからない微妙な言語障害を示すためにビデオを作成、実際に本人が話す様子を映像化する。百聞は一見にしかずの通りである。 (平成25年4月) ※併合のため分離しています。

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【事案】 バイクで走行中に、右折車に巻き込まれたもの 【問題点】 意識障害についての所見が、高次脳機能障害としての認定のための要件を満たしていなかった。 【立証のポイント】 画像を精査し、右前頭葉と左側頭葉に脳挫傷痕を確認する。 意識障害の所見については要件を満たしていなかったため、医師に確認をする。その結果、カルテなども確認しながら正確に調べ上げていただき、訂正をいただくことができた。 その後は症状と画像を再検討し、必要であると考えられる神経心理学検査をオーダーし、症状固定においては医師との入念な打ち合わせのもと後遺障害診断書の作成を依頼する。9級10号が認定される。                                              (平成25年4月)

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【事案】 自転車で走行中に、横から走行してきたトラックにはねられ、頭部を受傷したもの。 【問題点】 ・広島での事故であり、引っ越し前の医証がすべて広島にあった ・広島での入院・通院中には神経心理学検査がまったく実施されていなかった ・性格変化、自発性の低下、記憶障害、遂行機能障害が特に顕著な症状であり、性格変化をどう客観的に評価していくか?という点が難しい点であった 【立証のポイント】 懇意にしている医師をご紹介し、その医師、被害者の家族、私の三人で入念な打ち合わせを何度も行う。画像で脳の損傷部位を確認し、それをもとに必要と考えられる神経心理学検査をオーダーする。自発性の低下、易怒性については、医師の観察と被害者家族の意見のすり合わせによって医証に落とし込んでいく。記憶障害、遂行機能障害については神経心理学検査の結果から医師の所見をいただいた。性格変化については、家族との綿密な情報交換のもと、日常生活状況報告書に落とし込む作業を行う。 高次脳機能障害の立証には、被害者家族の力添えが不可欠であると改めて実感した案件です。   (平成25年3月)

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【事案】 原付の運転中、対向車線にはみ出したトラックと正面衝突したもの。 【問題点】 高次脳機能障害に関連するほぼ全ての障害を抱える状況だが、寝たきりではないという点で「随時(2級)」か「常時(1級)」かが争点となる。 【立証ポイント】 てんかん発作が重篤であったため、事実の証明を積み重ね「確かに寝たきりでは無いが発作が怖く常に目を離すことが出来ない」と主張して被害者請求を行うものの、自賠・労災ともに2級の認定。実態上「随時」ではなく「常時」であるのは明らかであると異議申し立てを行ったが、当事務所対応以前の主治医作成の診断書にあった「週1回程度発作発生」という記載が焦点として浮かび上がり、医師に依頼するも訂正拒否され、等級変更の障害となる。この点、労災は週1回程度との記載はあるが状況証拠や新たな医師の意見から1日1回程度としても矛盾無く審査請求を認め1級とする、という判断であったが、自賠責は2級1号のまま変わらず。訴訟の中で常時性を訴えていくということで群馬県内の弁護士に引継ぎを行った。 (平成20年2月)

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【事案】 横断歩道を青信号で渡っているところ暴走自動車に跳ね飛ばされたもの。加害者は自賠責のみの無保険自動車。軽度意識障害有り、画像所見有り、日常生活を送る上での若干の違和感残存。周辺症状として嗅覚、味覚の異常。他、整形領域のダメージも大きい。 【問題点】 ①高次脳機能障害の有無と程度 ・脳損傷に付随して発生した嗅覚障害、味覚障害の証明 ・整形領域の障害の証明 ・無保険者傷害保険への請求手続き 【対応】 ①高次脳機能障害(7級4号認定) 当初作成された意識障害に関する自賠責所見は慌てて作成された「異常なし」というものであったため(このこと自体は超多忙な医師、やむを得ないこともあります。これを責めてしまっては全員が不幸になります。理解する、ことを出発点とすれば以後の修正が可能となります)、カルテを取り付け内容を精査、家族や医療従事者の証言を集め、書式の内容が実情と解離している事実を資料化。再度医師と面談し事実の通りに訂正していただいた。その後、DWIやT2スターイメージなど画像所見が脳損傷を捉えていることを主治医とともに確認。器質的損傷の証明が十分であると確認し、程度の証明に移行。被害者本人、家族と何度も面談して日常生活状況報告書を仕上げ、神経心理学検査の専門的医療機関を訪ねて必要な検査を受け、一式レポートにまとめ、全て総合して被害者請求とした。 ②付随する嗅覚、味覚障害(嗅覚12級相当認定、味覚14級相当認定) 必要な検査(オルファクト検査、アリナミンPテスト、ろ紙ディスク法における最高濃度液検査)をコーディネート。単体としての評価とは別に、高次脳機能障害の残存を周辺から裏付ける証明になるため、手は抜けない。 ③整形領域・長管骨の変形(12級8号認定) 後遺障害診断時、整形主治医と面談。XPに角度計を当てて計測を受け、後遺障害診断書にその事実をありのまま記載していただいた。 ④無保険者傷害保険への請求手続き ・まずは加害者本人を相手に損害賠償請求訴訟。返す刀で無保険者傷害保険への保険金請求訴訟。これがいわゆる「宮尾メゾット」。 http://www.jiko110.com/contents/yakkan/muhoken/index.php?pid=3046&id=1136730041#1136730041 ・本件は弁護士特約が使えるが、同特約は「加害者側への損害賠償」には使えるものの無保険者傷害には使うことができない(これを使えると豪語するのは某有名法律事務所の弁護士さん。断言しますが、無理です)。 無保険者傷害の示談解決に経験のある弁護士に事案を引き継ぎ、対応を終了した。 ※本件は併合事案のため、他の後遺障害に関する実績と内容が重複しています。 (平成25年2月)

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【事案】 飲み会の帰り道、歩行中に自動車にはねられ、頭部を受傷したもの 【問題点】 ①通院先の大学病院、チームでの対応で主治医が定まらず、ドクターによって高次脳機能障害への理解にバラつきがあった。誰に後遺障害診断を依頼すればよいのか? ②受傷直後の意識障害の所見、飲酒に関する言及があり、果たして意識障害は「脳損傷」によるものか、それとも「酔っ払い」状態だったのか、慎重な調査が必要。 ③神経心理学検査がリハビリのスケジュールに組み込まれておらず、それでは自覚症状を裏付けられないことからコーディネート必須の状況。嗅覚障害の証明にオルファクト検査も手配した。 【対応】 ①高次脳機能障害の損害賠償について主治医に説明し、理解を得て下地を整えた。 ②事故発生前~事故状況~その後の経緯を丹念に資料化、救急搬送時の記録、担当医の証言なども集めて飲酒問題を排除した。 ③必要な検査一式をコーディネートした。 以上の資料を集約し、日常生活状況報告書も時間をかけてまとめ上げ、5級、7級、9級、下手をすると非該当、いずれの可能性もある中で後遺障害申請。結果、高次脳機能障害について5級2号が認定される。 ※本件は併合事案のため、もう一つの後遺障害である嗅覚障害12級相当と分解して掲載しています。 (平成25年2月)

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【事案】 歩行中に自動車にはねられ、頭部を受傷したもの 【問題点】 相談に来られたときは後遺障害診断書は既に完成しており、神経心理学検査もなにも受けていない状態で申請直前であった。医学的意見もなし、意識障害についての所見もなし、の状態で申請しようとしていたので、まさに、相談に来られたタイミングが『ぎりぎりセーフ』の状態であった。 【立証のポイント】 意識障害についての所見を早急にとりつけ、その後は懇意にしている医療機関で神経心理学検査の依頼をする。様々な症状があったが、一日中塞ぎこんでいる『発動性の低下』が特に顕著であったため、そのために家族の見守りが必要不可欠である点を医学的意見の中で医師に特に入念にご記載をお願いした。 日常生活状況報告書も家族と共同作業で時間をかけてまとめあげ、できうる限りの医証を揃え申請を行う。2級1号が認定される。                                            (平成25年1月)

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【事案】 歩行中に、原付バイクにはねられたもの 【問題点】 寝たきりで話すことはできず、そのために神経心理学的検査を行うことが不可能であった。 【立証のポイント】 寝たきり、画像によって著名な脳室拡大が認められたため、1級は想定されていたが、万全を期するために問題のない後遺障害診断書、神経系統の医学的意見の作成を医師に依頼した。 また、日常生活状況報告書は家族との共同作業で入念に作成を行う。また被害者請求のほか、障害年金手続き、労災手続き、身体障害者手帳の手続きのサポートをさせていただいた。 想定通り、1級1号が認定される。                                               (平成25年1月)

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