19
8月
2012
【事案】 自動車で直進中、対向車がセンターラインをオーバー、正面衝突される。幸い軽傷であったが、直後から原因不明の軽度半身麻痺、性格変化やストレス性心身症の症状を示す。 【問題点】 脳に器質的損傷を伴わない精神障害を立証すること・・・誰しも事故に遭えば、多かれ少なかれ心を痛め、心身症の症状を示すものです。具体的にはストレスによる不眠、鬱(うつ)、情緒不安定、フラッシュバック等です。これらは後遺障害(長く続くもの)とは認めづらく、そもそも大げさな表現だけでは審査上、信用されません。 また多くの場合、14級9号で判断されることが多く、深刻度を示す専門医の正確な観察がなければ12級には届かない。 【立証ポイント】 精神科医の一貫した診断と相応な治療内容、そして症状をつぶさに観察した記録などを丁寧にそろえることに尽きる。画像や検査数値にでないものを判断しなければならないのだから当然である。 精神科の主治医に「初診から症状固定までの記録」を専用診断書に詳しく記述していただく。何度か書類を往復し、自覚症状を裏付ける診断書を完成させた。 心の病気、それは専門医の治療はもちろん、本人の努力と家族・周囲の愛情で治すものです。等級が認定されたとはいえ、一層の回復を祈るばかりである。 (平成24年7月)