舟状骨骨折
手関節にある8つの手根骨の中で、親指側にあり橈骨とくっ付いている骨が舟状骨です。
交通事故では転倒した時に手をつくことによって骨折します。
症状としては手関節の痛みや腫れ、可動域制限が起こりますが、あまり強い症状が出ないこともあり、捻挫程度と考えて治療が遅れることがあります。
骨折部位で最も多い骨折部位は、舟状骨の腰部と呼ばれるくびれた部分です。
舟状骨は他の7つの手根骨の列とは違い、45度傾いているために通常のレントゲン写真では見えにくく、診断で見逃され、そのまま他っておいたために偽関節になる事があります。
特に、舟状骨腰部で骨折が起こると、血行不全のために偽関節になりやすいので注意が必要です。
偽関節になると手首の関節が変形し、痛みから手関節の可動域に制限が出ますし、また、手に力が入りにくくもなります。
診断はレントゲン撮影で行いますが、見落としをしないためにも4方向から撮影します。
CT・MRIでの診断が必要な場合もあります。
骨折線が見える転位のない安定型の場合は8~12週間の長期ギブス固定、そうでない不安定型は手術の選択となります。
早期に舟状骨骨折と診断され、きちんとギプス固定した場合は骨癒合が進むといわれています。
後遺障害としては、手関節の可動域制限として、2分の1以上の制限が残れば10級10号、4分の3以上の制限が残れば12級6号が認定される可能性があります。
また、疼痛が残ったとして12級13号、14級9号が認定される可能性もあります。