【事案】
バイクで交差点を直進、対向右折車と衝突。信号は接触時、右折(青)信号であり、バイクの信号無視であれば100%自分の責任となる。
【問題点】
このままでは自分が悪い事故となってしまう。頸髄・胸髄の損傷で半身不随となった父を抱えた家族・・・絶望ながら連携先弁護士へ受傷直後から相談に訪れる。即座に弁護士と二人三脚で対応。
まず現場検証に弁護士も立合い、賠償交渉に備える。一方、私は自賠責保険の過失減額に注目。仮に自分が悪い事故でも相手に過失が10%でもあれば、自賠責の被害者救済ともいうべき過失減額は50%が限度、つまり保険金の半分がもらえる可能性があるのです。
【立証ポイント】
自賠責の恩恵を最大限に活用する戦略に転換、弁護士はあえて代理から身を引く艇をしめす。相手に過失争いの対決姿勢を見せないためである。そして弁護士に見放された家族が涙ながらの被害者請求。名付けて「死んだふり」作戦。
申述書、事故状況の回答、それらに浪花節の手紙を添えるなど、申請・審査の陰にメディカルコーディネーターが暗躍。結果として1級の認定を導く。そして相手自動車に対し、青とはいえ、直前右折の過失を考慮し、なんと減額なし!4000万円が口座に振り込まれた。
高齢者のために逸失利益は望めず、過失割合の不利からも、自賠責の認定をもって矛を収める。本件は自賠責の保険金額のみで解決を図ることがベストのケース。
連携弁護士と絶妙の呼吸が勝因だが、なんといっても自賠責保険の被害者救済精神を讃えたい。
(平成25年2月)