【事案】
自転車で走行中、後方よりノーブレーキで追突された事故により、右脛骨骨折、右肩甲骨骨折、右肋骨骨折等の怪我を負う。
【問題点】
・右上肢、右下肢の怪我により歩行もままならず、一人では通院が出来ないため、夫の付き添いを要する状態だが、保険会社はそれを認めない。
・右腱板断裂も発症していたが、リハビリ通院をしていた整形外科の医師に後遺障害診断書を依頼したら、右肩甲骨骨折後のリハビリしか診ていないから、その部分については記載出来ないと言われる。
・骨折後、足をかばって歩行していたところ、膝下を不全骨折してしまい、医師からは歩行をやめて家で安静にしているように言われ、リハビリ通院が出来なくなってしまう。
【立証ポイント】
まずは、「リハビリ通院には夫の付き添いが必要である」との医師の診断書をもらう事から始める。先生も、とても一人で通院できる状態ではないことを認めており、それらの記載された診断書を頂き、弁護士の先生に保険会社との交渉材料にしてもらう。
また、本来であれば、まだ治療が必要な状態であったが、やむを得ず、事故から半年を経過したところで症状固定して、後遺障害の申請をする事にした。
もちろん、可動域計測時の注意点などを被害者本人と綿密に打ち合わせして、間違いのない計測をしてもらうようにしたことは当然である。
加えて、右腱板断裂の部分は、事故当初運ばれた病院にお願いに行き、右腱板断裂の部分に関してのみの診断書を別に記載してもらう。
これら、なぜそうなったかということを丁寧に説明する文章を添えて申請。
右肩の機能障害で10級10号が、右足首の機能障害で12級7号が認定され、併合9級の認定にとなった。