【事案】
青信号で、横断歩道を自転車で走行中、右折してきた車に跳ねられ、脳挫傷を負った事故
【問題点】
初回相談時、治療は継続されていたが高次脳機能障害についてはノーマークで6か月が経過していた。また、難聴、耳鳴り、嗅覚障害もあったが、それらもノーマークで、こちらは治療すら何も行われていなかった。
にもかかわらず、保険会社からは何の説明もなく、何をどうしたらいいか分からない状態。本人は一人暮らしで、特に病識はなく、困っていることはあまりないとの事。だが、話していてもやはりどこかちぐはぐ。間違いなく高次脳機能障害の可能性があると感じる。
本人だけではらちが明かず、離れて暮らす兄弟だけが事情を知っているため、その方に詳しくお話を聞くと、事故後から性格も生活も全く変わってしまったとの事。このままでは高次脳機能障害を含め、全ての後遺障害が見逃されて終わってしまう。
【立証ポイント】
早速治療先の病院に同行し、高次脳機能障害の評価をしてほしいと依頼するも、こちらの病院では検査施設がないとの事で、治療および検査のできる病院に紹介状を書いてもらい転院。そこで1から高次脳機能障害について検査をしてもらうとともに、耳鼻科にもかかり、難聴、耳鳴り、嗅覚障害についても同時に進める。
難聴、耳鳴りについてはそこの病院で検査をしてもらう事が出来たが、嗅覚障害については検査不可との事で、更に紹介状を書いてもらい、別の病院で検査をしてもらう。
それら検査結果一式をもとに後遺障害診断書を作成してもらい、兄弟が感じている事故後の変化を詳細にまとめたレポートを付けて申請。事故からかなり時間が経ってからの難聴、耳鳴り、嗅覚障害の訴えのため、事故との因果関係を否定されることを懸念していたが、耳鳴り・難聴で12級相当、嗅覚障害で12級相当、高次脳機能障害で7級4号が認められ、併合6級の認定を得る。