【事案】

交差点で横断歩道を横断中、後方よりの右折自動車に跳ねられ受傷。頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫、くも膜下血腫の診断となった。
実はこの事故の前から、数年前の交通事故について相談を受けていた。この受傷にて正式受任、以来、二人三脚の対応となった。

【問題点】

1、最初の病院で意識障害の記載に間違いがみられた。
2、受傷3ヶ月目から短期記憶傷害、注意障害の兆候がみられた。
3、能力低下は微妙で、一見、何の障害もないように回復が進んだ。本人の病職も薄い。
4、難聴と耳鳴りを訴えるも、検査できる施設が近隣になかった。

【立証ポイント】

1、早速、主治医に面談、記載の修正を依頼し、併せてリハビリ病院への紹介状をお願いした。

2、リハビリ先の病院では医師のみならず、社会福祉士、言語聴覚士、臨床心理士と打ち合わせ。微妙な障害を浮彫りにするため、神経心理学検査の計画を練った。

3、相手保険会社は障害について懐疑的であった。したがって、リハビリ先の医師、社会福祉士と保険会社の調査対策について事前に打合せした。治療先から被害者が不利な言質(障害は軽い、等)を取られないためである。
また、ご自宅に伺い、家族と打合せ。夫人へは日記を奨励し、後の文章作成に活かした。

4、東京の耳鼻科へ検査通院。治療期にオージオグラフ(聴覚検査)と症状固定前にピッチマッチ、ラウドネスバランス(耳鳴り検査)を加えた。

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結果は高次脳機能障害で7級4号、耳鳴りで12級相当、併合4級とした。検査先を確保し、病院側と気脈を通じれば等級の遺漏は起こらない。初期から受任すれば安心なのです。

(平成26年12月)
 

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