【事案】
自転車で走行中に、横から走行してきたトラックにはねられ、頭部を受傷したもの。
【問題点】
・広島での事故であり、引っ越し前の医証がすべて広島にあった
・広島での入院・通院中には神経心理学検査がまったく実施されていなかった
・性格変化、自発性の低下、記憶障害、遂行機能障害が特に顕著な症状であり、性格変化をどう客観的に評価していくか?という点が難しい点であった
【立証のポイント】
懇意にしている医師をご紹介し、その医師、被害者の家族、私の三人で入念な打ち合わせを何度も行う。画像で脳の損傷部位を確認し、それをもとに必要と考えられる神経心理学検査をオーダーする。自発性の低下、易怒性については、医師の観察と被害者家族の意見のすり合わせによって医証に落とし込んでいく。記憶障害、遂行機能障害については神経心理学検査の結果から医師の所見をいただいた。性格変化については、家族との綿密な情報交換のもと、日常生活状況報告書に落とし込む作業を行う。
高次脳機能障害の立証には、被害者家族の力添えが不可欠であると改めて実感した案件です。
(平成25年3月)