交通事故で脊髄損傷を負った被害者の中には生殖障害になってしまう方がいます。
その中でも逆行性射精という症状の可能性のある方を今担当しています。
逆行性射精とは、正常であれば射精するときに、尿道と膀胱の間に精液が逆流しないよう弁が生じるのですが、逆行性射精の場合はこの弁がなく、閉じているはずの膀胱の一部が開いたままになってしまうため、勃起もするしオルガズムも得られるが、射精して外に出るはずの精液が膀胱内に逆流してしまい、射精してもほとんど精液が外に出ない、場合によっては全くでなくなってしまうという症状です。
これを調べるためには、射精後、膀胱にたまった尿を調べ、精液がどれだけ含まれているかで診断します。
同行した医師の話では、「脊髄損傷では逆行性射精以外にも様々な原因の生殖障害があるが、とにかくこれを調べましょう」ということでこの検査を実施することになりました。