肘関節脱臼
肘関節の脱臼は、脱臼の中でも最も多く発生する脱臼の一つです。
理由としては、肘関節の周りの組織の支える力が弱いためと言われています。
肘関節は、橈骨・尺骨・上腕骨で形成される関節で、曲げ伸ばしの運動を行っています。
前方脱臼・後方脱臼の両方がありますが、交通事故では肘を伸ばして手をついて転んだ時に起こりますので、ほとんどの場合は尺骨が上腕骨に対して後ろ側に脱臼する後方脱臼により、肘関節の屈伸が出来なくなります。
骨折を併発していることも多いため注意が必要です。
また、外側の橈骨頭だけが外れる場合は、橈骨頭脱臼となります。
脱臼すると、尺骨が後方に飛び出ますので、目で見ても分かりますが、単純レントゲン撮影で確認します。
治療法としては、肘関節を軽く曲げて、前腕を後ろに押し下げながら牽引する徒手整復が一般的で、比較的簡単に征服されます。
整復後は、肘関節を曲げた状態で1~3週間程度ギプス固定をします。
整復が困難な場合は何かほかに問題がある場合がありますので、無理に整復をすることは避けるべきです。
また、整復されてもすぐに脱臼を起こしてしまう様な場合は、切れた靭帯や筋肉や腱が挟まっていたり、骨折を併発していたりすることがあり、この場合は手術を選択する可能性もあります。
後遺障害としては、脱臼に併発し、橈骨頭骨折、尺骨鉤状突起骨折、上腕骨内上顆骨折などがある場合は、動揺関節、可動域制限を残すことがあり、12級6号が認定される可能性があります。