【事案】 自動車停車中、後続車に追突を受ける。 【問題点】 上肢から手指のしびれがひどく、バレリュー症候群が収まっても容易ならぬ神経症状が残存する。しかし画像所見は12級が認められるほどの病変はない。神経学的検査を丁寧に積み重ねて申請するも、14級9号の認定に留まる。 【立証ポイント】 12級13号が認定されるには、相当の画像所見が必須条件。しかし外傷性頚部症候群では確実な画像所見がなくとも、重篤な症状を示す患者も存在する。そうなると立証手段は針筋電図に賭けるしかない。 検査結果は異常値を計測。さらに神経学的所見の一貫性、整合性について丁寧な説明を補足し、どんな反証が来ても潰せる完全無比な異議申立書を作成する。 私が担当しながら14級にしてしまった・・・この責任はきっちり取ります。 (平成25年2月)

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【事案】 歩行中、対向バイクにすれ違いざまぶつけられる。 【問題点】 左上肢、とくに手指にかけてしびれが残存。外傷による神経損傷か?頚部からの神経症状か?原因がわからないまま症状固定を迎える。 【立証ポイント】 とにかく手をMRI検査。外傷による病変は確認できなかった。そうなると「神経症状の推定」を求めることになる。つまり14級9号をあてはめる作業にシフトする。 交通事故外傷の世界では、はっきりしないことも多いのです。 (平成25年2月)

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【事案】 自転車で横断歩道を横断中、自動車にはねられる。顔面に4cmほどの切り傷が残る。 【問題点】 陽に焼けた顔、丸刈りで男らしい風貌。そして薄い4cmの線状痕。目立つか否か?も醜状痕の審査ポイントです。面接官の印象で「目立ない」とされれば非該当。 【立証ポイント】 面接官の主観で決められてはたまらない。連携弁護士を同席させ、計測に睨みを利かせる。不本意そうに面接官は4cmを計測する。 ケガを負う前の元々あった身体的特徴は障害の素因(原因)となりません。風貌ももちろんです。それはいくつかの判例で決着がついています。 そして醜状障害の男女差別は無くなりました。 でもねぇ、若い女性の傷と、いかつい男性の傷では障害に差があるような・・・いかん、専門家がそんなこと言ちゃダメですね。 ※ 併合のため分離しています (平成25年2月)

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【事案】 バイクで直進中、交差点で自動車と出合頭に衝突。その際、小指と薬指を骨折する。 【問題点】 骨折の癒合状態によっては深刻な可動域制限を残す。指の場合、用廃か否かは1/2以下の可動域制限が起きなければならない。そして親指以外はその用廃の本数で等級が決まる。正確な可動域測定が勝負となる。 【立証ポイント】 小指は1/2制限に及んだが薬指は至らず。しかしその他の指の測定に誤計測が多く、医師に計測の修正を手紙で依頼する。誤計測が多いと、肝心の障害指の計測に疑義が生じてしまうからである。 (平成25年1月)

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【事案】 交差点で自動車停車中、後続車に追突される。 【問題点】 主治医に軸椎・環椎(首の上から1、2番目の骨)がズレていると診断を受け、かなりナーバスになっている被害者。追突の衝撃でそうなったのか?「この議論を追究するより、14級9号を!」実利ある解決へ舵を切る。 【立証ポイント】 このような微妙な医学的論点は裁判でもはっきりとした結果とならない。幸い症状も軽快しつつあるので、「推定の及ぶ」障害である14級9号で矛を収める。 (平成25年2月)

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【事案】 横断歩道を歩行中、自動車にはねられる。左足の脛骨近位端外顆部骨折(つまりスネの膝下すぐの外側の骨折)。 【問題点】 高原骨折とも呼ばれるこの部分、多くは膝関節に深刻な障害を残しやすい。しかし骨折部の癒合は良好、可動域もほぼ回復。しかし安定維持のため、プレートを抜釘せずに症状固定とした。このまま痛みや違和感の自覚症状だけでは14級9号止まり。 問題としたいのは、金属が体に埋め込まれたままの状態を障害とみなすか否か? 【立証ポイント】 残念ながら自賠法、労災基準において、金属の残存に相当する障害の認定はなかった。これについては新進気鋭の弁護士により、引き続き訴訟で訴えていくこととする。 (平成25年1月)

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【事案】 原付バイクで停車のところ、前方のトラックが急後進してきて、衝突され、後方に転倒。 【問題点】 転倒の際、歯も折れたのでインプラント代で相手保険会社と難交渉となり、弁護士に依頼。弁護士から認定の相談を受けた際、「1本の歯では後遺障害は認定されない。まず頚椎捻挫で14級を取り、歯は14級認定後に治療費請求を行えば良い」策を提案。それが採用された。 【立証ポイント】 被害者は歯の治療費のことで頭がいっぱい。しかし実利ある解決とは「お金がすべて」なのです。感情に沿って少額のお金でもめるより、最大の賠償金を受けとる道筋をつける、これがプロの仕事です。 (平成25年2月)

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【事案】 バイクで直進中、交差点で対向右折自動車と衝突。転倒し右足の親指を骨折する。 【問題点】 母指の癒合状態は良好であるが、剥離骨折は何かと不具合が残る。幸い可動域に障害は残らなかったが、鈍痛や違和感が残存する。それを訴えた診断書が望まれるが、医師は面談を頑なに拒否する。癒合が良好で、何も自覚症状を訴えなければこの障害は非該当となってしまう。 【立証ポイント】 主治医に手紙を書く。数度の手紙で自覚症状を丁寧に説明する。指が非該当になった場合の保険として、頚椎捻挫の訴えも正確に記載していただく。結果、指と頚椎でダブル14級9号。面談叶わずともマメな手紙でこちらの誠意が医師に伝わったと思う。 ちなみに後の賠償交渉で逸失利益7年を勝ち取る。頚椎捻挫だけであれば、余程のことがない限り逸失利益は5年が限度。これも弁護士と気脈を通じた立証作業での好取組例と思う。 (平成25年1月)

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【事案】 自転車で横断歩道を横断中、自動車にはねられる。 【問題点】 肩関節の可動域制限と受傷箇所の因果関係をどう結び付けるか?10級は1/2制限なので、ハードルは高い。 【立証ポイント】 鎖骨の骨折、肩甲骨の骨折、それに伴う筋委縮等、主治医が怒りだすまでしつこく記述を求める。実際、怒らせた。医師と険悪なムードのなか、冷や冷やしながらも正確な測定に導く。 ※ 併合のため分離しています (平成25年2月)

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【事案】 友人の車の後部座席に乗車中、不注意の衝突事故を立て続けに2回起こされたもの。1回目の事故後、被害者様の静止を振り切って運転者は車を走らせ逃走した。初回申請前にご相談をいただく。 【経緯】 初診病院の主治医より脊髄損傷があると驚かされ(MRI上高輝度所見無し)、そう言われれば心配になるのが人情。被害者様も、あれもこれもありとあらゆる症状を訴え、全体として上滑りしたまま治療期間だけが過ぎていく。 「このままで良いのだろうか?」 疑問を感じた被害者様が担当MCに相談。長時間打ち合わせてアレコレ戦略を立案するも、最後の最後、ちょっと待て?何ですか?これやっぱり無理です?なぜ?来月から●●(ある宗教的行事)でたとえ整形外科医であっても身体に触れられない?じゃあ今までの話なんだったの?? 複雑な状況、一時期連携した弁護士が受任するも勝手に見切ってまさかの案件放棄。行き場を失った被害者様、一先ず担当MCが後遺症段階までを受任(行政書士業務)。 【初回申請】 画像診断専門の病院による検査結果は、やはり脊髄損傷確認出来ず。当初主治医を諦め後遺症診断を依頼する医師の選定に取り掛かる(幸か不幸かあちこちの病院に通院されていたためヨリドリミドリの状態だった)。 担当MCの直感で、王道を行くある医師に絞り込む。これが大成功。医師同行の結果、詳細な神経学検査の実施を受け、これなら14級は大丈夫。太鼓判の被害者請求。 何ら問題なく14級9号認定。いつものとおり弁護士先生に引き継いで対応終了・・・のはずが、一度だけ異議申立をしてみたいという被害者様の強い要望。全くのダメ元であれば、という条件で2回戦スタート。 【異議申立】 新たな検査結果を求め針筋電図を受診するも結果は思わしくない。ここで追加検査受診を諦め、これまでに得られている医証を掘り下げて全体的整合性を主治医に指摘してもらう作戦に変更。これが大ヒット。受傷から固定までの推移、経過的画像所見、神経学的所見、事故態様、自覚症状、全てが有機的に繋がり、異議申立書も完璧な仕上がり。これはもしかすると・・・?? ・・・もしかしてしまい、今回12級13号認定。有名な弁護士先生ですら初回申請以前にさじを投げている案件。こんな結論誰一人予測不可能。 かくして伝説の被害者様は、伝説の名に相応しい決着を向かえたのでした。 (平成25年2月)

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